鳥原遺跡

とりはらいせき


瀬戸市鳥原町
 鳥原川沿いの沖積地に広がる散布地である。昭和62年に試掘調査を実施。
 域内の鳥原川に架かる境井橋の北の水田地帯に縄文式・弥生式土器片を出土した境井遺跡がある。昭和25年5月、境井橋・如来間の道路拡張工事の際の土採り場所の畑から多量の弥生式土器片が採集されている。土器の形式と文様からは弥生中期から後期にまたがるもので、やや粗製の石鏃も採集された。後日、採集地の北15mの丘陵西南端鳥原川に面した平地に5本のトレンチを入れる調査が行われた。その中からは縄文中期の土器片や石鏃・石屑が出土したが住居跡は発見されなかった。その上流部に鳥原縄文遺跡があって、現状宅地となっている。昭和35年5月に整地作業中に縄文土器や石鏃が出土するなど縄文土器や石器散布地となっている。
 鳥原川下流右岸(北側 品野町7丁目)一帯の低地は品野中部遺跡で、現状水田・ 畑地となっている。平成11年、「品野中部土地区画整理事業」の予備調査としトレンチ発掘が実施され、土師器・須恵器・山茶碗・施釉陶器の古代から近世遺物が確認された。中でも須恵質・土師質の平瓦や丸瓦が多数出土する地点が検出したが、事業は計画変更されて本調査に至らなかった。
(参考文献 「瀬戸市埋蔵文化財年報 昭和62年度」「研究紀要13輯」)