所在地 瀬戸市馬ヶ城町
現在の瀬戸市街地を西に流れる瀬戸川(矢田川上流)に流入する支流の一つが赤津境を水源とする馬ヶ城川である。昭和初年にここに上水道を建設するための馬ヶ城貯水池が建設された。この水源地内には著名な古窯跡である馬城窯・椿窯・小屋峰窯・松留窯など11窯が『尾張徇行記』に記載されるが、最近の調査では約60基の古窯跡が分布する。
天保年間の村絵図には馬ヶ城川に沿って馬城道が描かれ、「銭カメ」(銭甕窯)のさらに上流の位置に「馬ヶ城」が記載される。古城跡研究者であった戸田修二氏は「瀬戸古城史談」で「城跡今は太郎左池」と記し、郷土史を引きながら「城構えは土塁の内側東西150メートル、南北100メートルほどの平坦地で、周りは巾着様に丘陵に囲まれ、西方わずかに開いた要衝の地である」としている。城主は加藤太郎左衛門で室町末期の頃まで居住し、長久手城主加藤太郎左(または右)衛門との関連性を指摘している。