明暗縁の染付

ふたおもてえにしのそめつけ


「佐々の悪魔・瀬戸の窯神 明暗縁染付」は大森痴雪作の二幕三場の歌舞伎で、昭和二年(1927)10月に、大阪中座において上演された。佐々の皿山と瀬戸をそれぞれの幕としている。加藤民吉役を中村鴈次郎、水野権平役を實川延若、中里角右衛門役を片岡市蔵、お千鶴(福本仁左衛門の娘)役を中村福助が演じている。これが上演された折、瀬戸から多くの人々が中座へ押しかけたといわれている。その内容は加藤庄三著の『民吉街道』に掲載されている。この舞台により民吉が産業スパイで、現地妻がいるようなイメージが出来上がってしまった。