瀬戸六作とは、永禄六(1563)年に織田信長によって選ばれた瀬戸の名工6名のこと。瀬戸十作とは、天正十三(1585)年に古田織部によって選ばれた瀬戸の名工10名のこと。
『をはりの花』に世人の瀬戸六作と称するは永禄六年(1563)織田信長瀬戸に来りて六人の名工を撰ししものにして、各製品には左の印款を刻すとして記載する。
加藤宗右衛門 春永と号す (鍵印) 加藤長十 (松葉印)
俊白 一に宗伯 (丸印) 新兵衛 (丁印)
加藤市左衛門 春厚と号す (角印) 加藤茂右衛門 徳庵と号す (十印)
さらに、世人の瀬戸十作と称すは天正十三年(1585)古田織部正重然(一に重勝)瀬戸に来りて十人の名工を撰ししものにして各製品に左の印款せり
元蔵 (一) 丈八 (イ) 友十(丸一) 六兵衛(セ) 佐助(蕨)
半七 (七) 金九郎(丸十) 治兵衛(サ) 八郎次(カ) 吉右衛門(山)
また、『尾張名所図会』中の六作十作の事に、「永禄六年信長公国中巡覧の節、瀬戸名家六作といえるを定めたまう。また天正十三年古田織部正重勝名家十作といえるを定められる。其名印ども左の如し。六作のうち市左衛門の子孫、今の加藤清助なり、吉左衛門・民吉・唐左衛門等みな清助の別家なり」とある。