永享年銘梵鐘

えいきょうねんめいぼんしょう


瀬戸市指定工芸品 1口
昭和57年3月1日指定 所在地 瀬戸市深川町
所有者 深川神社
文化財 高さ87.3センチ
時代 室町中期(永享十年)

梵鐘とは、寺院で使用された釣鐘のことで、人を集めたり、時刻を知らせたりする時に打ち鳴らす役目をする。この梵鐘は瀬戸市内に遺存する最古のもので、高さ87.3センチ、重さは約80貫(300キロ)あり、青銅製である。龍頭は双龍が宝珠を戴いた形をとり、乳は四面に16個宛て計64個付いており、撞座には単片八葉蓮華文で装飾されている。現世・末世に対する願いと祈りを込めた銘文から、永享十年(1438)に八王子社(深川神社)に奉納されたこと、この頃の神仏習合を知る事ができる。
慶長年間の大火、明治初期の神仏分離による廃物稀釈、そして第2次世界大戦中の金属供出のいずれからも免れたものである。

永享年銘梵鐘