南山古窯跡群

みなみやまこようせきぐんぐん


瀬戸市上之山町1~3・南山口町
 矢田川(山口川)左岸の南部丘陵に分布する南山古窯跡群(44基)は東の広久手古窯跡群と西側の大草古窯跡群の真ん中に在る。この地域は東の国道155号線と西の県道愛知青少年公園・瀬戸線に間の丘陵地帯にあって、昭和40年代以降の公共施設の建設によって多くの古窯跡が発掘調査されて滅失した。古窯群として確認されているのは、南山1~44号古窯で11世紀代に稼働した灰釉陶器窯(南山8・12・18号窯)や13世紀代の山茶碗・施釉陶器併焼窯(南山2・5・11・17・33・43・44号窯)で他は13世紀代の山茶碗専焼窯である。
 南山1号窯は昭和49年に県陶磁資料館建設工事前の発掘調査された13世紀代の山茶碗窯である。
 南山2号窯は、昭和55年に第4次水道拡張事業の事前発掘調査として実施された。窯体は標高134mの小丘陵中腹の北東向き斜面に立地、12~13世紀に稼働した山茶碗と施釉陶器(古瀬戸)を並焼したものであった。
 南山8・9(A~D)号窯跡は、平成3年の県陶磁資料館敷地内の駐車場造成の事前発掘で明らかにされた。その後窯体の保存処理、保護上屋が建設され「古窯館」として公開されている。5基の窯跡は平安時代後期の灰釉陶器窯(9-D号)から鎌倉時代末期の山茶碗窯(9-C号)までの各時代の窯跡であった。
 南山10号窯は、昭和49年の愛知青少年公園の駐車場造成工事の事前発掘調査が実施され、13世紀代に稼働した山茶碗窯の構造が明らかにされた。
 南山15・34号窯は、昭和59年の赤十字センター建設工事の事前発掘調査として明らかにされた。南山15号窯は13世紀代の山茶碗・片口鉢専焼窯、同34号窯は13世紀代の山茶碗・施釉陶器(古瀬戸)併焼窯であった。
 南山33号窯は、昭和57年に流通センター建設の事前発掘調査が実施され、13世紀代に稼働した山茶碗・施釉陶器(古瀬戸)併焼窯であることが明らかにされた。