ニョウライサンの辻

中馬街道(信州飯田街道)の中品野分岐点から南へ約600mにある県道で、赤津への分岐点は「ニョウライサンの辻呼ばれている。今は境橋を渡り品野町5丁目方面と鳥原・岩屋堂への道の分岐点だが、昔は5丁目方面からの道ではなく、南西に向かいの鳥原川を越えて赤津道(東約500m)に2基の庚申塔がある地点(窯町)との間に道があったと云われている。

ニョウライサンの辻(石塔群)

縄文時代中期の石鏃などを出土した鳥原境井遺跡に近い辻には、村中安全を祈って建てられた木ノ本地蔵(高さ78cm石造)を含む東側の石塔群と庚申塔などからなる北西側の塔堂がある。江戸期造と推定される行者・辻地蔵や井口の水神・庚申塔などもあって、村の聖地となっている。

東側の石塔群

左から 地蔵菩薩・弘法大師・三体地蔵(木ノ本地蔵)・地蔵と続き、右端に石祠があり、石室内に風化が激しい石造物が納まっている。ニョウライサンは「(薬師)如来さん」が転化した言葉とも考えられるが、尾張旭市渋川町にある直會神社(なおらいじんじゃ)は「にょうらいさま」とも呼ばれて皮膚病を治すご利益があるというので、この神社に至るみちしるべであったとも伝わっている。

 

北西側の塔堂

庚申塔 祠 手水石 がある。祠の中の石碑にライトを当てて調査したところ上の文字が「直」2字目が「来」であるように思われる。漢字は違っているが「なおらい」と読める。

参考文献

瀬戸市史編纂委員会編『瀬戸市史 資料編1村絵図』 中品野村

せと・まるっと環境クラブ 「岩屋堂ガイドブックⅡ改訂版」