シデコブシ

しでこぶし


モクレン科モクレン属の落葉小高木で日本固有種である。自生の分布範囲は東海三県に限られ、現在は準絶滅危惧種に指定されている。樹高は高いもので10m以上、幹周りは20cm以上のものもある。根元から分かれ株立ちする。花は早春に開葉に先立って咲き、白い花を咲かせる。花の形が四手(しで)に似たコブシのような花を付けることからこの和名となっている。花の開花期間は約10日、株全体では20日間程度開花する。シデコブシの生育地は、湧水のある山裾や小さい谷の湿った谷底で、瀬戸市内では、東部や南部の丘陵内に多くみられ、現在までに12,000余株の生育株が確認されている。特に市域中央の馬ヶ城町や北側の下半田川町に大群落がみられる。しかし近年、集落近くの里山が放置され、下草刈りや間伐が行われなくなっており、林内環境の悪化による生育範囲の狭まりが懸念されている。