昭和34年(1995年)年9月26日、南太平洋上に発生した台風15号は中心気圧910hPa、暴風雨圏700㎞という超大型台風となって本土を襲来した。伊勢湾台風と命名されたこの台風は、紀伊半島潮岬付近に上陸すると午後9時半頃に名古屋の西側を通過して日本海に向かった。伊勢湾から吹き込む風速30m以上の暴風と豪雨、それに高潮が重なって未曽有の被害が生じたのである。県下で死者3,168人、行方不明92人、家屋全壊23,334戸、同流失3,194戸の被害を出した最大の要因は、高潮による河口部や沿海部の堤防決壊であった。特に名古屋南部の貯木場の丸太が破提によって一挙に市街地を襲って被害を大きくした。
新愛知タイムズは、「27日には災害救助法が発動され、瀬戸市では32年の豪雨で泉町の山崩れ以来のことだが被害はこれとは比較にならないほど大きい。幸い雨量が少なかっただけに、水害は最初限度に免れたが、台風によって家を亡くし、壊された人達はあちこちに仮住まいし、工場はほとんど休業している。市では市庁舎に災害救助本部を設けて救難にあたり、復興の援助を行うことになった」と伝えている。
1.人的被害
重傷 3人
軽傷 91人
2.建物の被害
住宅 全壊215戸
半壊527戸
工場等 全壊468戸
非住家 半壊2,019戸
3.公共施設の被害
道路河川の決壊 20ヶ所
建物の損害 小中学校20校