広域交通体系へのアクセス利便性の向上を図るとともに、市街地内を経由することなく本市を通過する交通を処理するため、市街化区域の外郭に環状道路網を形成・整備が推進されている。第3環状線の整備もその一つである。
尾張旭市新居の海老蔓(森林公園東)から瀬戸の南山口までが都市計画決定されており、現在、国道363号の長根交差点から川北汗干線の平町交差点までの間が事業完了している。

瀬戸市の中心市街地における交通混雑は、「放射状の幹線道路網配置による特定路線への交通集中」及び「名鉄瀬戸線による南北交通の阻害」が主な要因となっている。
広域交通体系へのアクセス利便性の向上を図るとともに、市街地内を経由することなく本市を通過する交通を処理するため、市街化区域の外郭に環状道路網を形成・整備が推進されている。瀬戸環状東部線、第3環状線、瀬戸環状西部線、瀬戸環状北部線が、外環状道路として取り組まれている。
瀬戸環状東部線は、南山口町から広之田間が都市計画決定され、現在、南山口から南山大学南、塩草土地区画整理事業地内を経由して赤津に至る区間が、事業区間として整備が進められている。南山口の国道155号(国道248号)から東へ約900m、赤津の東海環状自動車道の「せと赤津」インターチェンジの前後約1200mの区間が供用開始されている。
この道路が完成すると中心市街地を通過する国道248号のバイパスとなり、中心市街地の交通混雑の緩和が図られ、瀬戸市南部から東海環状自動車道「せと赤津」インターチェンジへの接続時間の短縮が見込まれる。
瀬戸市では「陶の路」-伝統を感じ夢を語る出会いの散歩道・せと-というキャッチフレーズを持つ4つの散策路を設定し、市民が歩きやすい安全で快適な道づくりを進めるとともに、市外から訪れる人々に瀬戸の歴史や文化を分かりやすく示しながら、やきものに触れたり、楽しく買い物ができるルートを平成11年度から順次整備している。
○「暮らしっくストリート」(くらしっくすとりーと)平成11~13年度 整備延長1300 m
日常の生活シーンを彩る“暮らし”をテーマとしたルートであり、縁日的な賑わいの演出とアンティークな雰囲気づくりをミックスした生活提案型散策路。
○「小狭間坂」(こばさまざか)平成12~23年度 整備延長 1370 m
中心市街地を見渡す眺望機能を活かすほか、やきものに限らず、茶道、工芸、絵画などの多彩なジャンルの芸術に触れられる時空間を提供する散策路。
○「洞街道」(ほらかいどう)平成14~16年度 整備延長 1400m
瀬戸のやきものの伝統と文化が色濃く残る洞地区。窯道具で飾られた散策路の「窯垣の小径」や「窯垣の小径資料館」の味わいのあるたたづまいや施設が拠点となっている。
○「炎護路」(えんごろ) 平成22~26年度 整備延長 800m
やきものと関係が深く歴史のある神社から、窯元ゾーン、宮前公園を結ぶ坂道であり、窯道具で飾られた垣根を鑑賞しながら、伝統的な工芸技術の伝承を感じる散策路。
瀬戸市南部の住宅地と中心市街地を結ぶ「瀬戸菱野トンネル」が、平成16年(2004)3月20日に開通した。
瀬戸菱野トンネルを含む都市計画道路菱野線(県道愛知青少年公園瀬戸線)は、北に国道155号を経由して春日井市方面へ、南には、力石名古屋線に接続し、東尾張地域の南北軸を形成する重要な路線である。
南部の住宅地と中心市街地との間には標高差約30mの丘陵地があり、両地域の連携を阻んでいたが、このトンネルの開通により、周辺地域との交流が促進され、より一層の地域の活性化と産業の発展が期待される。
トンネル構造は、地山が砂層と未固結シルトの互層であり、土かぶりも20m程度と浅いため、断面は扁平形のめがねトンネルとして掘削断面の最小化が図られている。事業主体は愛知県(尾張建設事務所)、トンネル工事費は約38億円、平成11年(1999)10月14日に工事着手し、5年の歳月をかけ完成をみた。この開通により菱野線の全線が完成した。
トンネルの名称は、市民公募により決定した。
名古屋市名東区から岐阜県中津川市に至る一般国道である。瀬戸管区では瀬戸と尾張旭市の境界小坂町より市内中心部を通過し、品野より東の片草町に向かって岐阜県土岐市との境界までである。
市内中心部で、国道248号(東本町交差点-品野交番前交差点)と国道155号(東本町交差点-瀬戸橋南交差点)が重複区間となっている。
国道363号は「瀬港線」と呼ばれ、瀬戸と名古屋港を結ぶ産業道路として発展してきた。瀬戸から陶磁器製品を貿易のために名古屋港から輸出、帰りには陶磁器の原料や燃料を運んだ。ちなみに、瀬戸市の共栄通の交差点から尾張旭市北本地ヶ原一丁目までの約5,580mが都市計画道路「瀬港線」である。