猿投灰釉多口瓶

さなげかいゆうたこうへい


国指定工芸品 1口
昭和50年6月12日指定 所在地 愛知県陶磁資料館 所有者 愛知県
文化財 高さ21.5センチ 時代 平安時代初期

愛知県三好市の黒笹36号窯からの出土品で、いわゆる猿投窯の製品である。高さ21.5センチ、口径6.5センチ、胴径15.9センチ、底径8.9センチ。
長頸口の周りに4個の小口頸を付けた器形で、多嘴瓶(たしへい)とも称する。やや外開きの口唇は縁帯状に整形され、丸味のある胴部の肩から4個の小口頸が付き、それぞれの基部は面取り整形されている。付高台の中央部は焼き割れて欠損しているが、ほかは良好である。全体に暗褐色を呈するが、口縁から肩にかけて厚く灰釉が掛り、自然釉との区別が難しいので原始灰釉と呼ばれる。

猿投灰釉多口瓶

定光寺本堂

じょうこうじほんどう


国指定建造物 1棟
大正15年4月19日指定 所在地 瀬戸市定光寺町 所有者 定光寺
文化財 一重裳階(もこし)付・入母屋造・柿葺 付宮殿1基
時代 室町時代後期

定光寺は建武三年(1336)平心処斎によって開かれた禅宗寺院である。その後火災や地震等の災害を受け、現在の本堂も天文元年(1532)の火災後、同三年に再建されたものである。
本堂は桁行5間・梁間5間の正方形で、裳階が付いているため、2階建てのように見えるが、実際は一階建てである。昭和12年の解体修理の際に、禅宗様の入母屋屋根を架け、上層部を復元した。屋根は厚さ3ミリの薄い柿葺きである。組物や桟唐戸、本尊が納められている厨子などは典型的な室町時代中期の禅宗様式である。

定光寺本堂

源敬公廟

げんけいこうびょう


国指定建造物 7棟
昭和12年8月25日指定 所在地 瀬戸市定光寺町 所有者 徳川義崇
文化財 源敬公墓(周囲石柵付)、唐門(平層門・銅瓦葺)、焼香殿(単層・寄棟造・銅瓦葺)、宝蔵(単層・寄棟造・銅瓦葺)、龍の門(四脚門・入母屋造・銅瓦葺)、築地塀(延長71間・銅瓦葺)、獅子の門(四脚門・切妻造・檜皮葺) 付参道・殉死者の墓・石柵4所
時代 江戸時代前期

慶安三年(1650)に没した尾張藩の藩祖徳川義直(源敬公)の廟で、その遺命により定光寺に築かれた。廟は帰化明人陳元贇(げんぴん)の設計により、儒教式廟建築形式をとった。同四年に山腹を3段にならして墳墓と石標を造り、翌承応元年1652)に門・焼香殿(祭文殿)・宝蔵(祭器庫)・築地塀などを完成した。

焼香殿・宝蔵
源敬公墓
唐門