性空祭

しょうくうさい


毎年4月24・25日の両日にわたって(平成28年(2016)からは24日のみの予定)、赤津の雲興寺で行われる盗難除けの祭である。盗難よけのお札を求めるお参りの人でにぎわう。この寺にはこんな物語が伝へられている。
昔、寺の後の毘沙門山中に怪しい者が住んでいて人々に害を加えた。ある時、住持の天先和尚から般若性空の理を解き聞かせられた。彼は遂に法力を得て大いに喜んで、「師弟の縁を結び給はゞ、永く此の山を護り里人を安んぜん。」と誓った。師はこれに性空の法名を授けられたが、後石に化して此の寺を護った。その後、この寺に盗人が入って物を盗むとたちどころに気が狂って門内を彼方此方とうろつき廻り、どうしても境内から立ち出ることができなかった。そこで盗人は仏に物を返し、罪をわびて始めて門外に出ることができた。里人の家でもこの性空様に護られて、盗難が絶えてなかったということから、これを性空山神と崇め、今もなおその霊験を讃仰している。