御物奉献行列

ぎょぶつほうけんぎょうれつ


13世紀前期の鎌倉時代、加藤四郎左衛門景正(藤四郎)は名僧道元に随行して、中国の地で釉薬を施した陶器を造る技術を学んだ。日本に帰り良い陶土を求めて全国を回る中で瀬戸を訪ねた際、深川神社で受けた「神のお告げ」に従って祖母懐の地で良土を得た。この感謝のしるしに、藤四郎は一対の狛犬をつくり深川神社に奉納したと伝えられている。後の世に、藤四郎は陶器の神様として深川神社の摂社「陶彦神社」に祀られる。
この故事により瀬戸の作陶家は陶彦神社に参拝したり、作品を奉納したりして陶彦の神に感謝をしてきた。この伝統をもとに、昭和54年(1979)に瀬戸市制施行50周年記念事業として、陶器を陶彦神社に奉納する御物奉献行列が陶祖まつりにおいて開催された。平成14年(2002)より一時中断していたものの、平成19年(2007)より陶磁器業界関係者の尽力により再開され、今ではせと陶祖まつりの重要な催事となっている。