加藤 舜陶

かとう しゅんとう


陶芸 灰釉系技法 愛知県指定工芸技術 1件
平成6年3月18日指定 平成17年6月24日解除(死亡)
保持者 瀬戸市赤津町 加藤舜陶 大正5年7月13日生

 保持者は加藤作助の系譜に連なり、初代作助(寿斎)の3男小三郎(号春逸)が祖父にあたる。昭和12年生家にあって作陶を始め、瀬戸陶芸協会にも入会、以来陶技を研鑽、特に「灰釉の舜陶」といわれる灰釉陶器の製作を主軸に置いてきた。灰釉は草木灰を使用する最も基本的な釉薬で、瀬戸地方では平安時代に始まり、中世・近世を通じて発展してきた。江戸時代に誕生した御深井焼は木灰に千倉石を混ぜて還元炎で焼成したもので、美しい透明感ある淡青色を呈する釉で保持者が最も得意とするものである。
 保持者が灰釉に重点を置くようになったのは公害防止法で薪窯が規制され、石炭窯(昭和35年代)からガス窯(昭和45年代)の使用がされるようになったのがきっかけだったという。特にガス窯を使用するようになってからは、平安期以来の伝統的な灰釉に江戸前期の御深井釉も生かした独特の素材感を持った灰釉作品を生み出してきた。平成3年に瀬戸市無形文化財(陶芸・灰釉技法)に指定される。