品野祗園祭り

しなのぎおんまつり


毎年7月16日、下品野地区で行われる祭りである。下品野の町の国道沿いに南の方から、火の見下の社のあたりまでの家々の軒下に、意匠をこらした絵や書のかかれた祭提ちんが立並ぶ。提ちんに火の入る頃、全宝寺の坂の方から、大提ちんを先導に、三段に屋形のついた、きれいに飾り立てられた山車が、威勢のよい町内の男衆に引かれてやってくる。山車の中からは祭ばやしの音が聞こえ、山車のうしろには、ゆかた姿の女衆が、踊りを披露しながら一団となってついてくる。この「祗園祭り」の本祠は、京都東山区祗園町に鎮座する八坂神社で、火の見下の社は、祗園感神院の改められたものである。古くは「祗園ご霊会」といい、疫神に祈って疫病からまぬがれる信仰から出ているといわれる。津島神社(尾張津島市)も天王まつりといって、三段のさおに提ちんがたくさん灯されただんじりを船にのせる宵祭りが行われるが、下品野の祭司の方が、前日までに、津島神社から御神符を受けてこられ、祀っているのである。