大般若経

だいはんにゃきょう


瀬戸市指定典籍 155巻
平成20年9月12日指定 所在地 瀬戸市東菱野町
所有者 菱野文化財保存会
文化財 楮打紙・染紙(黄)刊本、縦25.5センチ・横9.5センチ、42~49折
時代 鎌倉・室町時代

旧菱野村東福寺は天台宗の寺院で、寺伝によれば12世紀に開かれ、永正十三年の火災で全焼した。翌年秀海法印により中興されたが熊野権現の別当寺院であった。昭和25年 に無住となり廃寺となったが、所蔵の「大般若経」などは地元の郷蔵に保管されたもので、現在は155巻が保存されている。
『大般若経』は『大般若波羅蜜多経』の通称で、仏教経典の中で最も巻数が多く全部で600巻にも及ぶ。東福寺のものは木箱2個に収納され、蓋書に「東福寺二百八十八巻」とあり、元亀三年(1572)に隣村本地村より寄進とある。その際の経典は元亀以前のものであったが、鎌倉時代に印刷されたものが4巻(五十二・五十三・五十四・五十七巻)含まれている。

大般若経