菱野団地

ひしのだんち


愛知県住宅供給公社により、昭和41(1966)年度から計画面積173.5ha、住宅建設戸数7,032戸、人口30,000人の開発計画ですすめられた。基本設計は、建築家黒川紀章が行っている。
全体を原山台・萩山台・八幡台の住区に分け、中心地区(サービス施設)公共施設を緑地ゾーンにより分離している。各住区は自然の起伏を利用して計画し、住区内の各道路も原則として等高線沿いに走り、自然の地形を保存しながら変化のある景観が得られるよう計画され、住区内中央部に自然緑地を保存し、主幹線と住区内幹線との間のスペースは、修景緑地を配している。また、教育施設は通学上の安全のため、主幹線をこえない住区周辺の緑地ゾーンに配置されている。
計画の主眼点として、①良い環境、②交通安全、③便利な生活の3つの観点から開発は計画された。良い環境とは、住宅の日照条件をよくする、通過交通のない道路計画、変化のある住宅配置と静かな空間の構成、各住区の中央部にある自然を極力保存することである。次に交通安全とは、順次道路の巾員をせばめながら、各戸に近づくにつれ、交通量を大巾に減少させる、交差点はすべて優先順位が明確にされたT差路として車のスムーズな流れをはかる。また便利な生活とはワンセンター方式により、サービス施設の合理的な配置、危険な主幹線道路をこえない安全な教育施設の配置することである。
面積176ha、6440戸(県営・分譲)の計画で、昭和42年(1967)6月15日に起工式を行い、昭和45年(1970)3月27日初の入居が原山台で始まった。

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