オリエンタルデコラティブ陶磁彫刻研究所

おりえんたるでこらてぃぶとうじちょうこくけんきゅうじょ


オリエンタルデコラティブ陶磁彫刻研究所 1946年(昭和21年)10月に瀬戸市西古瀬戸町に北海道興農公社(現・雪印乳業)の社長の支援を受けて設立されたもの。10年間ほど陶彫制作の研究活動が陶彫の第一人者である福井出身の沼田一雅(初代所長)を中心に、磁祖民吉像を製作した日本彫刻家協会(創設会長)の加藤顕清、沼田喜代子、船津英治、笠置李男、田沼起八郎、八井孝ニらによって行なわれた。瀬戸の作家では加藤華仙(春陶会創設会長)が開設準備に尽力したが直前に急逝。その後、その息子加藤政良と鈴木青々が運営に力を尽くしたという。北川民次やイサム・ノグチも1950年(昭和25年)に同研究所でテラコッタを制作したりして、瀬戸の現代陶芸に陶彫という新しい息吹きを送り込んだ、意義深い活動として再評価され、1989年(平成元年)4月から9月まで愛知県陶磁資料館にて展示。同研究所はアカシヤの木と牧場風柵に囲まれ、暖炉のある洋館とフランスのセーブル窯があり、当時としてはしゃれた建物で瀬戸市東古瀬戸町の郷土史家の浜島芳夫により景観絵図が復元されたが、なぜこの研究所が戦後まもなくこの瀬戸に開設されたかは不明で幻の研究所といわれている。